三重大学伊賀研究拠点      

2015年2月6日

第13回三重大学発産学官連携セミナーin伊賀を開催しました

26日(金)午後、140名のご参加をいただき第13回三重大学発産学官連携セミナーin伊賀をヒルホテル サンピ

ア伊賀の白鳳の間で開催しました。三重大学の伊賀地域での活動は多彩になってきました。「環境・食・文化」に関

する調査研究などで活動してきました伊賀研究拠点は、人文学部が伊賀市内の活性化などの活動で拠点にしている伊

賀連携フィールドと連携し忍者研究を開始しましたので、今回のセミナーは両方の分野の話題提供となりました。

本セミナーは、内田淳正三重大学長をはじめ、岡本栄伊賀市長、三重県健康福祉部の増田直樹次長、(公財)伊賀

市文化都市協会の中村理事長から開会のスピーチをいただき開始されました。
  


                      

(左から、内田学長、岡本市長、増田次長、中村理事長)

     
 


 最初の講演は、三重大学生物資源学研究科教授坂本竜彦先生による「持続可能な未来〜環境・エネルギー・地域内

循環〜」。産業革命以降化石燃料に依存しすぎたことから人類は地球温暖化問題に直面しています。豊かな生活を維

持するには、再生不可能な資源から再生可能資源で回る社会へ変えていくグリーンイノベーションが必要と力説され

ました。「バイオマスニッポン総合戦略」のもとでバイオマスタウン構想が進められてきましたが、大規模生産で経

済効率優先の概念が災いしほとんど成果が上がっていないとか。環境先進国のドイツも同じ理由で一度は失敗したも

のの「小規模・分散・自立型の地域内循環システム」に方向転換したことで、木材チップを原料としたエネルギーで

運営する地域社会が上手くいっていると。日本も「地域内循環システム」を充実させエネルギー自立を目指す方向へ

知恵を出すべきと説明がありました。伊賀地域のバイオマス量を概算するとそこそこあるので、化石燃料の使用で海

外に逃げていた燃料費分を、地域資源を利用する補助金に充当すれば割高に感じる小規模発電などの運転が可能とな

るとのことです。バイオマス生産を行う一次産業からエネルギー生産とその燃料を使い商品などを生産する二次産業

、さらにはそれらの商品を流通・販売する三次産業が地域内で循環させるイメージです。最後に、地域内循環の概念

を夢のような話ではありますが例を上げて分かりやすくまとめられました。伊賀はブドウなど果実の生産地で有名で

す。このブドウと地域内のバイオマス燃料を利用し三重県の高品ワインの生産基地にするビジョンを立ち上げればレ

ストランや宿泊施設も連動するのではないかと。坂本先生の講演はとても熱いものでした。

 


 二番目の講演は、三重大学人文学部教授山田雄司先生による「なぜ三重大学で忍者研究が必要なのか」でした。人

文学部が中心となり上野商工会議所及び伊賀市と連携し、伊賀地域の教育・文化・研究の推進から地域振興上の諸課

題の対応に取り組む「三重大学連携フィールド」が立ちあがた理由から忍者研究を始められたとか。ハイトピア伊賀

の3階で月一回開催の忍者・忍術学講座にとどまらず、東京でのイベントからイギリス・スペイン・イタリアの大学

へ欧州巡回講座も実施され、直近では2015年ミラノ国際博覧会への参加予定やニューヨークの大学からも忍者の講義

依頼を受けているなど、三重大学は世界における忍者研究の拠点となりつつあると説明されました。

何事にも耐え忍ぶ忍者は、忍びの心構えから侵入術・武術に加え交際・対話・変装術や情報収集・伝達術など様々

な技が存在し、忍術は総合的知識に基づくサバイバル術とも受け止められ、現代社会や未来社会を生き抜く技が凝集

されているとのこと。しかし、忍者に関する学術的研究はされてこなかったので、三重大学は理系(伊賀研究拠点)

と文系(伊賀連携フィールド)が連携して文部科学省の特別経費「忍者の知恵を活かした人にやさしい循環型社会の

構築‐文理融合型Ninja研究の成果を世界に発信」のプロジェクトに取り組んでいると。これらの調査・研究成果を

世界に情報発信することで、伊賀地域の活性化に役立たせたいと説明されました。

 
   


 第三番目の講義は、三重大学医学部看護学科教授小森照久先生による「ストレスの意味と健康への影響‐忍者のス

トレス対処法に思いを馳せて」でした。外から強い刺激を受けることを一般的には「ストレス」と呼んでいるが、学

術的にはこの刺激を「ストレッサー」と呼ぶ。このような刺激で体内に生じた傷害や防御反応の総和を「ストレス反

応」と使うのが正しいと。普段は「ストレッサー」の言葉も「ストレス反応」の言葉も使わないので、理解度を確か

めようと復唱してみましたが、両者が混乱、「ストレスの言葉の正しい使い方を理解しようとすること」でストレス

になってしまいました。

ストレッサーが何であれ、体内で起こるストレス反応は同じであること、我々は常に外から刺激を受けこれらに対

して適正にストレス反応が起こっている。交感神経、副交感神経、副腎皮質ホルモンなどがうまく制御し生きている

と。強すぎた刺激でこの制御が狂うと血中の免疫機能も低下するそうです。体力が充分ある場合は読書、ハイキング

、スポーツ、美術や映画の鑑賞などで癒しや気晴らしをすることで回復するが、体力がない場合は何もしないで休息

することだそうです。ストレスが原因で起こる病気は、うつ病や不眠症の他に生活習慣病でもよく知られる高血圧、

糖尿病、胃潰瘍などがあり、生活習慣を是正することとストレス回避をすることとは連動させて対処すると効果的と

感じました。現在のストレス社会との付き合い方は生き抜くために重要です。非常にストレスがかかったと考えられ

る忍者の忍びの活動には、ストレス反応を狂わさないメンタル面をコントロールする術があると感じました。現在・

未来を生き抜くために必要な知識を忍者研究から発信していけると感じました。

   

その後三重大学伊賀研究拠点の活動報告に続き、「上野高校SPP報告」が上野高校理数科1年生の代表者5名で行わ

れました。SPPScience Partnership Programの略で、高校と大学の連携により理科に対する興味や探究心を育成す

るプログラムです。この活動は昨年84日と5日に行われました。1日目は伊賀の里山で竹害の実態を観察し竹の伐

採を行いました。また、竹炭の作り方を学び、この竹炭を有効利用する目的で炭の吸着能力を実験、さらに泥水を浄

化する簡易ろ過装置を作成しました。この様子は、伊賀研究拠点の活動報告

(http://www.iga.mie-u.ac.jp/140804uenospp.html)
に上がっていますので是非見てください。高校生が作成したパ

ワーポイントの内容は非常に素晴らしく、高校生の発表も堂々としたものでした。プレゼン中に竹1本の重量はどの

ぐらいですかと内田学長に質問する学生さん、突然の質問にうまく対応された学長、地元高校生の頑張りで最後のプ

ログラムまで充実したセミナーとなりました。この空気が幸いしてか、セミナー終了後の交流会にも62名の参加があ

り大いに盛り上がりました。交流会ではヒルホテルサンピア伊賀のご協力を得て鹿肉と鯨肉のオーダーメイドの料理

、さらには三重大ブランドコーヒーとして人気のチェンミコーヒーも用意させていただきました。

 
        

上野高校生のプレゼン風景    プレゼン終了後の学長のコメント     茅の間での交流会    

 

上野高校のホームページにSPPについての報告が上がっています。こちらもご覧下さい。
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